こんにちは。ゆう(@honkiku1)です。
2013年に駐在員としてサンフランシスコに赴任したものの赴任先の支社が倒産。半年間に渡る就職活動の末、現在はAmazonのシアトル本社でプロダクトマネージャーをしています。
そんな経験を活かし、このブログではアメリカで就職するためのポイント、アメリカでの仕事や暮らし、英語の学習方法などについて日々紹介しています。
アメリカに住むことになって、まずしなければならないことの1つに、日本からアメリカへの送金があります。
アメリカで働き始めて現地の銀行口座にお給料が入るようになるまではある程度先立つものが必要ですし、完全に拠点をアメリカに移してしまうのであれば日本に現金を置いておいてもしょうがないですからね。
ただ、普通に銀行から海外送金すると、意外に手数料を取られてしまって思っていたより送金できなかった、ということがよくあります。
この記事では、僕が知る限り最も安く、日本からアメリカに海外送金する方法を説明します。
注:本記事では、100万円以上の比較的大口の送金を想定しています。数十万円程度までなら、あれこれ考えずにWise (旧TransferWise。2021年3月3日よりWiseにブランド変更)を使うのが最もお手軽かつオトクです。
詳細は下記の記事を参照。
こんにちは。ゆう(@honkiku1)です。 2013年に駐在員としてサンフランシスコに赴任したものの赴任先の支社が倒産。半年間に渡る就職活動の末、現在はAmazonのシアトル本社でプロダクトマネージャーをしています。 そんな経験を活か[…]
銀行の海外送金サービスには隠れコストがあって割高
日本から海外送金するとき、おそらく最初に思いつくのは銀行の海外送金サービスを利用することだと思います。
これ、はっきり言ってオススメできないです。
その理由を説明するために、まずは海外送金にかかるコストを整理しましょう。
海外送金には、ざっくりと
- 為替手数料
- 送金手数料
という2つの手数料がかかってきます。
(1) 為替手数料は日本円を海外の現地通貨(アメリカだったらUSD)に両替するための手数料。
(2) 送金手数料は、海外の銀行口座にお金を転送するための手数料です。
このうち、(2)の送金手数料は、どの銀行も明確に〇〇円と示しています。
しかし、(1)の為替手数料が明示されることはまずありません。
日本円から現地通貨への両替を行うときには、各銀行が独自に設定した為替レートを使用します。
ここに、こっそりと為替手数料が含まれているわけです。
例えば、1 USDのミッドマーケットレート(FXでの売値と買値の中間値)が103.205円のとき、新生銀行の為替レートは104.680円でした。
つまり、1ドル両替するたびに、手数料として1円47.5銭が取られているわけですね。
1万ドル両替すれば14,750円。
新生銀行の海外送金手数料は2,000円で一見お安く見えますが、明示されている手数料よりも遥かに多くの手数料が、実際には取られていることになります。
100万円送るために1万7千円もかかるなんて、ちょっとイヤですよね・・・。
オススメの送金方法:FXで両替し、外貨口座を経由して送金する
僕のオススメの海外送金の仕方ですが、ズバリ
です。
具体的には以下のような流れになります(下図参照)。
- 日本の銀行口座からFX口座に日本円を入金する
- FXで、日本円を送金先の現地通貨(アメリカならUSD)に両替する
- FXから外貨口座に現地通貨(USD)を出金する
- 外貨口座から海外の口座に現地通貨(USD)を送金する
いろいろと新しい言葉が出てきたので、軽く説明しておきます。
FX( Foreign Exchange)
FXとはForeign Exchangeの略で、外国為替証拠金取引のことです。
他の国の通貨を買ったり売ったりして差益を狙う、投資の一種ですね。
今回は、このFXの仕組みを、投資のためではなく、純粋に両替のためだけに使ってしまいます。
両替に使うだけなので、レバレッジも効かせません(1倍でOK)。
リスクはほぼ無いと言っていいと思います。
外貨口座
通常、日本の銀行口座には日本円を預金しておきますが、銀行によってはUSDなどの外国の通貨(外貨)を預金できる外貨預金というサービスを提供しています。
日本円よりも金利の高い外貨で預金して、より多くの利息を得ようというものですね。
今回は、この外貨預金口座を、海外の銀行口座に送金するためだけに使ってしまいます。
メリット
この方法の何が良いかと言うと、銀行の海外送金サービスに比べて、前述した(1)の為替手数料がめちゃくちゃ安いことです。
FX会社によりますが、1ドルあたり数銭程度しか取られません。
1万ドル両替しても数百円!
こんなのほぼ無料です!
FX口座から外貨口座への出金時と、外貨口座から海外口座への送金時にそれぞれ手数料がかかりますが、2つ合わせても銀行の海外送金手数料より安いことが多いです。
前述の通り、為替手数料がめちゃくちゃ安いので、ある程度の金額を送るときには、このFX+外貨口座が圧倒的に割安になります。
デメリット
この方法で唯一デメリットだな〜と感じるのが、送金に多少時間がかかるということです。
- 日本の銀行口座→FX口座
- FX口座→外貨口座
- 外貨口座→アメリカの銀行口座
と、途中に2つの口座を経由するため、送金に数日程度かかってしまうこともあります。
まあ、銀行の海外送金サービスも数日程度かかるとよく聞きますし(実際の所要日数は明示されていないことが多い)、そこまで大差無いのかも知れませんが。
ともあれ、国内の送金のように今日送って明日届くみたいなことはないので、早め早めに送金しておくのが吉です。
外貨ex byGMOとSMBC信託銀行プレスティアの組み合わせがオススメ
さて、上で説明した「FXで両替し、外貨口座を経由して送金する」という方法、この方法を使えるFX会社・銀行は、実はそれほど多くありません。
ほとんどのFX会社では外貨での出金を受け付けていませんし、海外の口座に送金できる外貨口座も多くありません。
そんな中で僕のオススメは、外貨ex byGMOとSMBC信託銀行プレスティアの組み合わせです。
外貨ex byGMO
- 会社名: 外貨ex byGMO株式会社
- 公式サイト: https://www.gaikaex.com/
- 資本金: 4億9,000万円
- 株主: GMOフィナンシャルホールディングス株式会社 100%
- 事業内容: 金融商品取引法に基づく第一種金融商品取引業
この組み合わせは、僕が過去数年間に渡り実際に日本からアメリカへの海外送金に使用してきたという実績があり、かつ僕が調べた限りでは最も手数料が割安でした。
前述(1)の為替手数料が1ドルあたり6銭、FXから外貨口座への出金手数料と、外貨口座からアメリカの銀行口座への送金手数料の合計が5,000円です。
※2021年1月1日現在
参考までに、1万ドルを送ると想定したときの外貨ex byGMO+プレスティアでかかるトータル手数料と、各銀行の海外送金サービスでかかる手数料の比較表を載せておきます。
※2021年1月1日現在のシミュレーション結果です。
サービス | トータル手数料(円) | 外貨ex byGMO+プレスティアとの差額(円) |
---|---|---|
外貨ex byGMO+プレスティア | 5,650 | 0 |
Wise* | 6,634 | 916 |
ソニー銀行 | 8,250 | 2,600 |
三井住友銀行 | 10,550 | 4,900 |
楽天銀行 | 14,300 | 8,650 |
新生銀行 | 16,750 | 11,100 |
*Wiseは銀行ではありませんが、安価で非常に手軽にかつ素早く海外送金できるオススメの海外送金方法なので、併せて掲載しておきます。数十万円程度までなら外貨ex byGMOとSMBC信託銀行プレスティアの組み合わせよりもWiseをお勧めします。
詳細は下記の記事を参照。
こんにちは。ゆう(@honkiku1)です。 2013年に駐在員としてサンフランシスコに赴任したものの赴任先の支社が倒産。半年間に渡る就職活動の末、現在はAmazonのシアトル本社でプロダクトマネージャーをしています。 そんな経験を活か[…]
注意事項
外貨ex byGMOもSMBC信託銀行プレスティアも、口座を作るなら渡米前がオススメです。
渡米後はそもそも口座が作れなかったり、作れても面倒な手続きが必要になったりします。
口座を持っているだけなら無料なので、今のうちに作っておくといいと思います。
また、FX取引は海外居住者は行えないので、渡米後は日本のご家族にお願いしましょう。
補足:仮想通貨はどうなの?
海外送金の手段として、最近はビットコインに代表される仮想通貨も選択肢になりますね。
特に、送金スピードに関しては銀行口座経由よりも遥かに速いです。
僕も以前利用を検討したことはあるのですが、実際に乗り換えることはしませんでした。
それは以下のような理由からです。
- 売買手数料がけっこう高い
- 暴落のリスクがある
売買手数料がけっこう高い
仮想通貨は売買時(例えば、日本円でビットコインを購入する場合など)に手数料が発生するのですが、これがけっこうします。
例えばGMOだと、ビットコインの売買手数料が1%前後。
100万円分のビットコインを買うと1万円の手数料が取られてしまいます。
これに出金手数料等もかかるので、銀行の海外送金サービスとあまり変わらなくなってしまいます。
暴落のリスクがある
仮想通貨を利用した海外送金では、「日本円→ビットコイン→USD」のように、途中に仮想通貨を経由します。
日本で仮想通貨を購入し、それをアメリカに送金してUSDに換金するまでは、最終的に何ドル送れるのか分からないわけです(下図参照)。
もし、ビットコインとして所有している間にビットコインが暴落してしまったら・・・。
実際にそんなことが起きる可能性はかなり低いと思いますが、僕はたかが海外送金のためにそんなハラハラしたくないんです!
まとめ
以上まとめます。
- 銀行の海外送金サービスは、送金手数料の他に為替手数料が隠されており、かなり割高
- FXで両替し、外貨口座経由で送金するのが一番オトク
- これが可能な数少ない組み合わせの1つが外貨ex byGMO+三井住友信託銀行プレスティア
- ただし、数十万円程度の送金ならWiseが一番オススメ
- 仮想通貨による海外送金は、売買手数料の高さや暴落リスクを考えるとお勧めできない
自分のお金を送るだけなのに多額の手数料を支払うのは本当にもったいないですよね。
送金方法を賢く選んで、有意義なアメリカライフを送りましょう!