アメリカで働くには必須なのに、9割の日本人が持っていないスキル

こんにちは。ゆう(@honkiku1)です。

2013年に駐在員としてサンフランシスコに赴任したものの赴任先の支社が倒産。半年間に渡る就職活動の末、現在はAmazonのシアトル本社でプロダクトマネージャーをしています。

そんな経験を活かし、このブログではアメリカで就職するためのポイント、アメリカでの仕事や暮らし、英語の学習方法などについて日々紹介しています。

 

以前の記事で「アメリカ人の働き方は日本人とこんなに違うから、アメリカに赴任する時には覚悟しておいた方がいいよ」というお話をしました。

アメリカ人は締切は守らないわ資料は雑だわホウレンソウもしないわ、とんでもないやつらだぜ」と。

詳しくは下記の記事を読んでみてください。

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で、ですね。

実はアメリカ人から見ると、「日本人こそ〇〇を全然しないクソ野郎じゃないか」と言われることがしばしばあります。

ぶっちゃけ、日本から赴任してきたマネージャーは、アメリカ人にちょいちょい嫌われます(笑)。

 

この記事では、「日本からアメリカに赴任するときにはこのスキルを身に着けておかないとアメリカ人の同僚や部下から嫌われて仕事にならないよ」というお話をします。

アメリカで働く人だけでなく、日本でアメリカ人と一緒に働く機会がある人も絶対に身につけておいた方がいいと思うので、良ければ読んでみてください。

 

アメリカに赴任した日本人マネージャーが嫌われるワケ

彼らの言い分はこうです。

日本人マネージャーは批判ばかりでちっとも褒めてくれない。これではモチベーションが上がらない」と。

イヌくん
えー。そんなことないよー!僕だって、部下が良いことをしたらちゃんと褒めてるよー!

そう。

日本人の場合、部下が(もしくは同僚が)何か素晴らしいことをしたら、それを褒めたりしますよね。

 

アメリカ人の場合は、ちょっと違うんです。

彼らは、部下もしくは同僚が「何かしたら」褒めるんです。

イヌくん
何かしたら?

そうです。

イヌくん
普通のことでも?

そうです。なんなら、「この仕事、どう見てもイマイチだよなー」という場合でも褒めます

イヌくん
ちょっと、わけが分からない…

 

うん、分かります。

でも、そうなんです。

これができないと、アメリカ人から「あいつは自分のことをちっとも褒めてくれずに批判ばかりするクソ野郎だ」という烙印を押されます。

 

アメリカ人は褒められたい

いま、うちの娘はアメリカで幼稚園に通ってますが、アメリカの幼稚園の先生って、めちゃくちゃ褒めてくれるんですよ。

朝、幼稚園に行っただけで「今日も来てくれてありがとう!偉いわ!」と熱烈に歓迎してくれます。

で、何かすれば「すごい!」「素晴らしい!」「あなたは本当に才能があるわ!」と称賛の嵐

アメリカ人のあの根拠のない自信は、こうして育まれてきたのかとひとしきり感心したり。

アメリカ人は小さい頃からこうして褒められまくって育ってきているので、日本人が日本のノリを持ち込んで、部下が何かしても一切褒めること無く改善点ばかり指摘すると「あいつは俺の頑張りをちっとも認めてくれない!」となるわけです。

 

アメリカ人は合理主義の拝金主義者だとか思ったことを何でもストレートに言うとかそういったイメージがありますが、多くの場合それは誤解です。

まず、アメリカ人は金銭的な報酬と同じくらい、精神的な報酬を大事にします

人から感謝されること、人から褒められることを大きな喜びとし、それを原動力にして仕事で高いパフォーマンスを発揮します。

部下のやる気を高め、高いパフォーマンスを発揮させること

これこそが、マネージャーに求められている役割なのです。

 

日本人マネージャーはこの点を勘違いしていることが多く、「マネージャーの役割は部下のミスや弱点を指摘すること」とでも思っているらしく、部下の仕事をろくに認めることもせず、改善点ばかりを列挙したりします。

アメリカに来たばかりの僕も、そんなクソ野郎でした。

めちゃくちゃ反省してます…。

 

「アメリカ人は直接的なコミュニケーションを好む」というのも誤解です。

彼らはネガティブなフィードバックをするときには特にかなり気を遣います

まず、いきなりネガティブフィードバックから入るということは絶対にしません。

最初は必ず褒めることから始めます。

褒めて褒めて褒めまくって、相手の心を開かせて、相手がネガティブなフィードバックも受け入れる姿勢ができてから初めて、ネガティブフィードバックを伝えます。

それもかなり遠回しな言い方で。

ただ、それがあまりに遠回し過ぎて、ノンネイティブの僕にはその真意が伝わらないこともしばしば。

ポジティブなフィードバックばかりが頭に入ってきて、「自分すげーじゃん!」と勘違いし、後からフィードバックを読み返して初めて自分の改善点に気づく、みたいなことも日常茶飯事です(笑)。

 

何か言う前にまず褒めよう

さて、日本人が「他人の仕事を全然褒めないクソ野郎」から脱却するにはどうしたら良いのでしょうか?

手っ取り早いのは、「何か言う前にまず褒めよう」ということです。

 

例えば誰かの資料のレビューをするとき。

前にも言ったように、アメリカ人の資料は基本雑なので、日本人の目から見ると直したいところだらけです。

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ところが、改善点を列挙しただけのメールを送っても、相手はその指摘を受け入れてはくれません

あなたの指摘を「攻撃」と受け取り、とっさに防御反応を示します。

つまり自己防衛を始めます。

せっかく時間と労力を使って改善点を挙げてあげても、それが受け入れられないどころか「批判ばかりのクソ野郎」の烙印を押されてはたまったものではありません。

 

まずは、指摘したいことをぐっとおさえて、相手の仕事に対して感謝と称賛の意を伝えましょう。

具体的な褒め方の例は次章参照です。

どんなひどい資料でも、どこかしらには褒める部分(まともな部分)があるはずですし、どうしても見つからなければ相手が費やした時間と労力を褒めてあげるだけでもいいです。

 

また、改善点を全て挙げるのではなく、まずは「ここだけはどうしても直したいところ」に絞って伝えた方が受け入れられる可能性が上がります。

いくら最初に褒めても、改善点が30箇所も挙げられていたらさすがに気持ちが伝わってしまいます(笑)。

マジックナンバー7±2じゃありませんが、指摘事項は多くても両手、できれば片手で数えられる程度にしておいた方が良さそうです。

 

褒め方の基本フレーズ

イヌくん(ウーン)イヌくん
褒めろって言われても、どうやって褒めたらいいのかなー?

褒め方の基本フレーズをいくつか紹介しますね。

Thank you for ~ing(〜してくれてどうもありがとう)

例:Thank you for getting all the data! (データを取得してくれてありがとう!)

I appreciate …(…を感謝します)

例:I appreciate the efforts of everyone who participated in this project. (このプロジェクトに参加してくれた皆さんの尽力に感謝します。)

I like … (…がいいですね)

例:I like the way you took the meeting minute. (議事録の取り方、すごく良かったです。)

awesome / great / nice (いいね!)

例:Awesome! This looks great!(いいね!めっちゃいい感じ!)

helpful (助かる)

例:Thank you for sharing the doc. This is super helpful. (資料を送ってくれてありがとう。非常に助かります。)

 

なお、実際に褒める時には、できるだけ具体的なポイントを褒めた方がより喜ばれます。

 

アメリカ人の褒め方を学ぶ

アメリカ人の上司や同僚の褒め方がいつもすごいなーと思っているんですが、参考までに僕が最近もらった上司・同僚からのフィードバックをいくつか、一部編集して掲載しておきます。

よくこんなの思いつくなーって、いつも感心しています。

褒める力を上げるには、こういった実例を真似するのが一番の早道かなと思います。

Psychic Delivery. Time and time again, when the team asks him to do something, he reports, I have done that already, here it is. His ability to see what the team will need and make data driven decisions for the product are second to none. He makes the team feel smarter and confident the product is on the right track.

(彼はまるで超能力のように仕事をこなします。これは何度も何度も起きていることですが、チームが彼に何か依頼すると、彼はいつも「それならもうやってあるよ、はいどうぞ」と答えます。チームが次に何を必要とするかを予期し、データに基づいて決断する彼の能力は誰にも負けません。彼のおかげで、プロダクトは正しい方向を向いているという自信が持てます。)

It’s difficult to pinpoint a specific super power for people like him who do so many things equally well. Wearing multiple hats, working cross discipline, and always up for discussions of complex problems, whether they are engineering or design issues – he always rises to the occasion.

(彼は非常に多くのことをどれも高いレベルでこなすことができるため、彼のスーパーパワーを1つだけ挙げるのは難しいです。彼はいくつもの異なる役割をこなし、職種を横断して働き、エンジニアリングの課題だろうがデザインの課題だろうが何でも、複雑な問題の議論に加わり、いつもなんとかしてしまいます。)

 

参考書籍

以前の記事と全く同じラインナップで恐縮ですが、この4冊はやはり必読かと思うので再度挙げておきます。

異文化理解力

異文化理解力
4.6

海外で働く人、外国人と仕事をする人にとって実は「語学」よりも「マナー」よりも大切なこと。
中国企業との交渉、アメリカ人上司への提案、多国籍チームのリーダーシップ…
なぜいままでのやり方が通用しない? どうしてトラブルばかりが起きる?
これからのビジネス成功の鍵は、「異文化を理解する力」。

上で少し触れたネガティブフィードバックの伝え方以外にも、コミュニケーションの仕方、説得の仕方、意思決定の仕方など、(主に)ビジネス上の諸問題における文化間の相違をカルチャーマップを使って説明してくれます。

人々のものの見方、考え方というのは、知らないうちに文化によって大きく影響を受けているということが学べます。

 

反省しないアメリカ人をあつかう方法34

反省しないアメリカ人をあつかう方法34
4.2

「文句が多いアメリカ人」「反省しないアメリカ人」「ほめられたいアメリカ人」――アメリカ人はどうしてそう考え、そう行動するのか。日米ビジネスのエキスパートで、経営コンサルタントのロッシェル・カップが、アメリカ人とうまく仕事するコツを大公開! 日本の企業文化を熟知し、職場の異文化コミュニケーションやグローバルビジネスをテーマに講演活動を行う、アメリカ人経営コンサルタントだからこそ書ける、「アメリカ人のあつかい方」です。

「ほめられたいアメリカ人」をはじめ、ビジネスにおけるアメリカ人の特性とその対処法を34のトピックについて解説してくれます。

アメリカ人の特性とその対処法、使える英語フレーズがセットになっています。

Kindle Unlimitedに入っていれば無料で読めるので、加入済みの方は是非!

入っていない方も、この1冊のために入っても十分元は取れると思います!

 

リーダーとして話すための英語パワーフレーズ3000

リーダーとして話すための英語パワーフレーズ3000
5

ワンランク上のコミュニケーションスキルを手に入れたい人のためのビジネス英語フレーズ集! コーチングに役立つ1章分(PART10 メンバーの力を引き出すコーチング)を加えた、増補改訂版です。
アメリカ発売のオリジナル版で好評を博し、各国で発売されている本の日本版。「丁寧」な言い方から「率直」な言い方まで、各シーンで使いたいニュアンスが一瞬で選べる、独自のレイアウトを採用。使えば使うほど、表現の幅が広がっていく、実践的な一冊です。

褒めるボキャブラリーをもっと増やしたければこちらをどうぞ。

褒める以外にも、「昇給を申し出る」、「議論を脱線から戻す」、「かけひきする」など、様々な場面におけるニュアンスの異なる表現を学べます。

こちらも、Kindle Unlimitedに入っていれば無料で読めるので、加入済みの方は是非!

 

出世する人の英語 アメリカ人の論理と思考習慣

出世する人の英語 アメリカ人の論理と思考習慣
4.4

ある程度の英語力があるのに、外資系企業で上司や同僚、クライアントとのコミュニケーションがうまくとれず、苦労している日本人は少なくない。「それはアメリカ人特有の考え方や思考の癖を理解していないから」と著者は言う。日本人が思うアメリカ人像と、実際のアメリカ人はかなり乖離しており、それに気づくのが遅くて出世できない日本人が非常に多いのだ。「アメリカ人は『発言すること=貢献』と思っている」「アメリカ人は日本人より時間に厳格! 」「アメリカ人に『ちょっとご挨拶に……』は通じない」等々、日本人が知らない「本当のアメリカ人」がわかるだけでなく、出世に有利な使える英語も身につく一冊。

アメリカ人がなぜ褒められたいのかをはじめ、アメリカ人の考え方や思考の癖を分かりやすく説明してくれるとともに、それらを踏まえて<strong”>どのように振る舞い、どのような英語を話せばアメリカや外資系企業で成功できるのかを示してくれます。

読み物感覚で気軽に読めますよ。

 

まとめ

以上まとめます。

  • アメリカに赴任したとき、日本と同じノリで改善点の指摘ばかりすると間違いなくアメリカ人部下に嫌われる
  • アメリカ人は金銭的報酬と同じくらい精神的報酬(感謝される、褒められる)を大事にする
  • アメリカでは、何か言う前にまず褒めるようにすべき

これ、たぶんアメリカ人に限る必要はなくて、日本人に対してもこのように接した方がいいんじゃないかなと思います。

誰だって叱られるより褒められた方が嬉しいですもんね。

僕も褒めて伸ばされたいです!

 

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