こんにちは。ゆう(@honkiku1)です。
2013年に駐在員としてサンフランシスコに赴任したものの赴任先の支社が倒産。半年間に渡る就職活動の末、現在はAmazonのシアトル本社でプロダクトマネージャーをしています。
そんな経験を活かし、このブログではアメリカで就職するためのポイント、アメリカでの仕事や暮らし、英語の学習方法などについて日々紹介しています。
英語リスニングの難しさの要因の1つとして、「英語は実際の会話の中では辞書通りには発音されない」ということをお話しました。
こんにちは。ゆう(@honkiku1)です。 2013年に駐在員としてサンフランシスコに赴任したものの赴任先の支社が倒産。半年間に渡る就職活動の末、現在はAmazonのシアトル本社でプロダクトマネージャーをしています。 そんな経[…]
今回は、英語が実際の会話の中でどのように発音されるのか、特に「弱形」と「リエゾン」に焦点を当てて説明していきます。
弱形
弱形ってなに?
「弱形」という言葉は「リエゾン」と比べてそれほどメジャーではないので、聞いたことが無い方もいらっしゃるかもしれません。
試しに辞書で”can”を引いてみてください。
発音の欄を見ると、「k(ə)n, 《強》kæn」のように、複数の発音が書かれていると思います。
ここで、《強》の後に示されている発音が、おそらく皆さんが学校で習ったであろう基本の発音で、強形と呼ばれます。
一方、何も印が無いもの、もしくは辞書によっては《弱》と書かれているものが、弱形です。
このように、英単語の中には弱形と強形という複数の発音を持つ単語が存在します。
そして、会話の中ではほぼ100%、弱形の発音が使われます。
学校で習った強形の発音は会話の中では使われないのです。

ここで注意すべきなのは、「弱形」といっても「弱く発音される」という意味ではない、ということです。
「弱くなる」のではなく、「発音が変化する」のです。
弱形を持つ単語
全ての英単語が弱形を持つわけではありません。
基本的には、be動詞、接続詞、冠詞、助動詞、前置詞、人称代名詞が弱形を持つと考えておけば間違いありません。
それほど数は多くないので、以下で確認しておきましょう。
品詞 | 単語 | 強形 | 弱形 |
---|---|---|---|
be動詞 | be | biː | bi |
am | æm | (ə)m | |
is | ɪz | z, s | |
are | ɑːr | ər | |
was | wʌz, wɑ(ː)z|wɔz | wəz | |
were | wəːr | wər | |
been | biːn | bɪn | |
接続詞 | and | ænd | (ə)nd, (ə)n |
but | bʌt | bət | |
than | ðæn | ð(ə)n | |
that | ðæt | ð(ə)t | |
冠詞 | a | eɪ | ə |
an | æn | (ə)n | |
the | ðiː | ðə, ði | |
助動詞 | do | duː | dʊ, də, d |
does | dʌz | dəz, dz | |
have | hæv | həv, əv, v | |
has | hæz | həz, əz, z, s | |
had | hæd | həd, əd, d | |
can | kæn | k(ə)n | |
will | wɪl | w(ə)l, (ə)l | |
must | mʌst | məs(t) | |
shall | ʃæl | ʃ(ə)l, ʃə, ʃ | |
could | kʊd | kəd | |
should | ʃʊd | ʃəd, ʃd | |
would | wʊd | wəd, əd | |
前置詞 | at | æt | ət |
for | fɔːr | fər, fr | |
from | frʌm, frɑ(ː)m|frɔm | frəm | |
of | ʌv, ɑ(ː)v|ɔv | əv, ə | |
to | tuː | tə, tu | |
人称代名詞 | me | miː | mi |
you | juː | ju, jə | |
your | jʊər|jɔː | jər | |
he | hiː | hi, i | |
his | hɪz | (h)ɪz | |
him | hɪm | (h)ɪm | |
she | ʃiː | ʃi | |
her | həːr | hər, əːr, ər | |
we | wiː | wi | |
us | ʌs | əs | |
them | ðem | ð(ə)m |
(発音記号は『ウィズダム英和辞典』より)
全体として、発音するのにエネルギーを使う音が省略される傾向がありますね。
例えば、a、æ、ʌなどはəになったり、語尾を伸ばすところが省略されたり。また、 he、him、hisはhの音が抜けてi、ɪz、ɪmになります。
これらの音は、聞き取れなくて当たり前なんです。だって、発音されてないんですから。
リエゾン
リエゾンってなに?
リエゾンは弱形よりは遥かにメジャーなので、多くの英語学習者が一度は聞いたことがあるかとは思います。
簡単に復習しておくと、文章中で隣り合う単語の末尾と先頭の音がくっついて発音が変化することです。
例えば”Thank you”は”θæŋk juː”ではなく”θæŋkju”とくっつけて発音しますよね。
「センキュー」はもはや日本語なので問題無く聞き取れると思いますが、例えば「カインダ」や「ピッカッポン」がそれぞれ”kind of”と”pick up on”であるということは、リエゾンの知識が無いと分かりません。
リエゾンは、自分が話すときには必須というわけではありませんが、ネイティブの英語を聞き取るためには必須の知識と言えるでしょう。
いつリエゾンするの?
前後の単語をなんでもかんでもくっつければいいというものではなく、リエゾンにはいくつかのパターンがあります。
パターン1:子音+母音
“kind of”が「カインダ」になったり、”pick up on”が「ピッカッポン」になったりするパターンです。
前置詞は弱形になっていることにも注意してください。
パターン2:子音+子音
“thank you”が「センキュー」になったり、”get you”が「ゲッチュー」になったりするパターンです。
子音のあとに”you”が来たらだいたいこれです。
おすすめの教材
英語の発音トレーニングBOOK
★★英語の発音トレーニングに最適の1冊です!★★
ネイティブが発音した際の口元の写真や舌やあごの動きをイラストで確認できる!
ネイティブ発音に近づくための方法、類似発音との比較なども掲載しており、発音の上達に特化した1冊です。
これは、前回の発音記号トレーニングでも紹介しました。
こんにちは。ゆう(@honkiku1)です。 2013年に駐在員としてサンフランシスコに赴任したものの赴任先の支社が倒産。半年間に渡る就職活動の末、現在はAmazonのシアトル本社でプロダクトマネージャーをしています。 そんな経験を[…]
この本では、今回の記事では紹介しなかったフラップやリダクションなどについても簡単に説明されていて、ネイティブ発音を理解するのに非常に役立ちます。
American Accent Training
A great training tool for classroom or for personal use! In recent years, Barron’s American Accent Training has gained wide respect as a self-teaching program, but more and more speech trainers, teachers, and speech therapists report that they are also using it as a valuable teaching tool in their speech classes. This new edition now comes with downloadable audio. The program goes where no American accent training tool has gone before, providing highly innovative instruction for both students and business people. The structure of the book has been reorganized, offering students a much more clear and direct sequence of lessons and a path to better understanding.
『American Accent Training』は、アメリカ英語発音教本の定番と言える本です。
僕もこれでアメリカ英語発音を覚えました。
おすすめポイント
- イントネーション、個々の発音、リエゾンやリダクションなど、アメリカ英語の発音について、数時間にも及ぶ圧倒的な量のダウンロード音声で徹底的に練習できる
- これでひたすら練習すれば、かなりネイティブの発音に近づけるはず
おすすめできないポイント
- 発音記号が日本で一般的に使われているIPAとは異なるので慣れが必要
- 全編英語なので、初心者にはおすすめできない。TOEIC700は必要か?
- ボリュームがすごいのでサクッと復習するのが難しい
ちょっと敷居は高いですが、真面目に取り組めばそれだけの効果はあります!オススメです!
まとめ
まとめます。
- ネイティブは会話の中では辞書通りに発音していない
- be動詞、接続詞、冠詞、助動詞、前置詞、人称代名詞は、会話の中では「弱形」と呼ばれる省エネな方法で発音される
- 「子音+母音」や「子音+子音」は、前後の単語の末尾と先頭がくっついて発音が変化する
弱形とリエゾンをマスターすると、リスニングも発音も一段レベルアップします!
がんばりましょう!
リスニングの他の課題に対するトレーニングは、下記の記事を参照してください!
課題1:英語と日本語では使用される音が全く異なる
こんにちは。ゆう(@honkiku1)です。 2013年に駐在員としてサンフランシスコに赴任したものの赴任先の支社が倒産。半年間に渡る就職活動の末、現在はAmazonのシアトル本社でプロダクトマネージャーをしています。 そんな経験を[…]
課題3:流れてくる英語を後戻りせずスピーディーに処理する必要がある
こんにちは。ゆう(@honkiku1)です。 2013年に駐在員としてサンフランシスコに赴任したものの赴任先の支社が倒産。半年間に渡る就職活動の末、現在はAmazonのシアトル本社でプロダクトマネージャーをしています。 そんな経[…]