英語で抽象的な概念を説明するために身につけておいた方がいいスキル

こんにちは。ゆう(@honkiku1)です。

2013年に駐在員としてサンフランシスコに赴任したものの赴任先の支社が倒産。半年間に渡る就職活動の末、現在はAmazonのシアトル本社でプロダクトマネージャーをしています。

そんな経験を活かし、このブログではアメリカで就職するためのポイント、アメリカでの仕事や暮らし、英語の学習方法などについて日々紹介しています。

 

英語で言いたいことを伝えるのって本当に難しいですよね。

特に、それが抽象的な概念(作業の流れ、システムの構成など)だったり、感覚的なもの(色合い、手触りなど)だったりすると、その難しさは一気に跳ね上がります。

 

僕はこれまでアメリカで6年間仕事をしてきましたが、実はもう、このような込み入った内容を英語だけで伝えるのは諦めています

通訳や翻訳家など、英語自体が職業なのであれば別ですが、僕にとって英語はあくまで仕事のためのツールの1つに過ぎません。

仕事を遂行できさえすれば、英語だけにこだわる必要は全く無いんです。

 

この記事では、純ジャパで英語嫌いな僕がアメリカで仕事をする中で身につけた、「英語にこだわらないコミュニケーション術」をご紹介します。

 

英語+図解で伝える

英語で伝えきれないことは図に描いて説明しましょう。

ちょっとでも伝えづらいなと思ったら、すぐにペンを持って図を描きましょう

僕は、ミーティングのときには必ずホワイトボードの近くに座りますし、オフィスで席替えするときにもできる限りホワイトボードの近くの席を選びます。

 

なぜ図解すべきなのか

日本語・英語にかかわらず、そもそも人間の脳というのは、抽象的な概念を言葉だけで理解するのがあまり得意ではありません

 

例えば、以下の文章を読んでみて下さい。

家を出たら、左に真っ直ぐ進んで下さい。2つ目の交差点に来たら、右に曲がって下さい。その後1ブロック進んだらもう1度右に曲がります。そして次の交差点を左に曲がり、更に次の交差点を右に曲がって下さい。次の交差点も右に曲がったら、2ブロック進んで右に曲がり、半ブロックほど進むと左手に見えてきます。

これ、僕はもう2つ目の交差点ぐらいで迷子です(笑)

でも、これを図にすれば一目瞭然ですね(はい、結局もとの場所に戻ってきただけでした)。

 

仕事の流れも同じです。

例えば以下の文章は外注先への発注フローを説明しています。

外注先に発注する際には、まず本部に対して申請を行い、承認を得る必要があります。承認取得後、外注先に実際に発注を行い、外注先が納品を完了したら、外注先から本部に対して代金の請求をしてもらいます。その請求に従い、本部が外注先に対して代金の支払いを行います。

これはかなりシンプルな流れではありますが、これを英語で説明する/されることを考えるとけっこう気が重くなりますよね。

でも、こういったものも図にしてしまえば、すっきり理解できるのではないでしょうか?

英語だけでは説明が難しい内容も、図を交えて説明すれば言いたいことの9割は伝えることができます

 

相手にも図で説明させよう

図解は自分が説明するときに有用なだけではありません。

人に説明してもらうときにも、図解してもらうことで圧倒的に理解しやすくなります

 

英語の説明だけで理解するのは厳しいなと感じたら、

Can you illustrate it in a diagram?

と言ってみましょう。

さらに、描いてもらった図にあなたも描き込んでいくことで、よりスムーズに議論することができます。

イヌくん
なるほど!これは覚えておこ!

 

また、副次的な効果として、相手の理解が曖昧な点や、考慮が足りていない箇所をあぶり出せるということもあります。

理解が不十分だと、ちゃんとした図にすることはできませんからね。

 

英語+写真や動画で伝える

抽象的な概念と並んでもう1つ厄介なのが、色とか形とか手触りといった感覚的なもの。

例えば、ふわふわもこもこのうさぎの手触りなんて、英語で説明できますか?

正直、日本語でも厳しいですよね。

 

そんなときには、百聞は一見にしかず。

ふわふわもこもこのうさぎの画像を見せてしまえばいいんです。

この際、Google画像検索でもいいんですが、僕は以下のような理由からPinterestをオススメします

  • Google画像検索よりも圧倒的にクォリティの高い画像が多い
  • 好きな画像をテーマ別に保存してボードに一覧表示できる
  • 他の人のボードも見られてアイディアが広がる

 

例えばPinterestで「うさぎ」を検索すると、下図のような悶絶必至の画像がわらわらと出てきます。

 

そうそう、画像を見せたとき、相手に

How do you describe this image?

と聞いてしまって、そのときの表現を覚えておくといいですよ。

次回からはもしかしたら、画像を見せなくてもその表現だけで通じるかも知れません。

 

動画を見せたいときにはとりあえずYoutubeですね。

1つ小ワザとして、動画のリンクをメール等でシェアするときに、下図のようにすることで動画の再生開始時間を指定できます

「ここを見て欲しい」というときに便利なので、もしご存知なかったら覚えておきましょう。

 

図解の技術を磨こう

図解はアートではないので、上手に描く必要はありません。

絵心が無くても大丈夫!丸、三角、四角と矢印といった基本図形の組み合わせだけで十分です。

初めはうまく描けなくても、訓練すれば誰でも分かりやすい図が描けるようになります

 

図解の技術を扱った書籍は、素晴らしいものがたくさんあります。

『マッキンゼー流 図解の技術』は、もはや古典的名著ですね。

僕もコンサル時代にはこれを読んでパワポの腕を磨きました。

図解の勉強をするならば、必ず押さえておくべき本です。

マッキンゼー流 図解の技術
3.4

プレゼンテーションで使う図表の作り方を解説した本。前半は効果的なグラフの使い方を、後半はメッセージを絵にする方法を取り上げる。図表の作り方からは、コンサルタントが売り物にする「論理的な思考」の過程を垣間見ることができる。売り上げ分析などの実例に応じた図表が数多く盛り込まれており、目を通すだけでも役立つ。プレゼンテーションの本だけに、構成やデザインも見やすくまとまっている。
Introduction: チャートで語る
Section 1: チャートを選ぶ
Section 2: チャートを使う
Section 3: コンセプトとメタファーを使う
Section 4: チャートをスクリーンで見せる

 

ホワイトボード等に手描きすることを考えると、『図解表現200の鉄則』も絶対に読んでおいたほうがいいです。

四角や円、矢印などの基本図形を使って図解を作成するための基本ルールを教えてくれます。

このルールに従って描くだけで、誰でも分かりやすい図が描けるようになります

図解表現200の鉄則
5

企画書やパワーポイントの資料にビジュアル化された図があると、“説得力”がまるで違います。でも、自分は絵を描くのは苦手だからと諦めていませんか? 実は、いわゆる「概念図」や「チャート」と呼ばれる図解は、基本をマスターすれば、いわゆる「絵心」がなくても誰でも上手に描けるものなのです。思考を図に置き換えるロジカルな作業といえます。本書では、四角や円、矢印などの基本図形を使って図解を作成するための、基本ルールと実践を学びます。図解の技術や注意点を、200のルール(1ページ1項目)にまとめ、具体例とともに解説。「囲む」「つなぐ」「配置する」という3つの技法をマスターするだけで、見違えるように説得力ある図が作成できます。

 

図解の技術、一度身につけてしまえば二度と忘れない上に、英語だけでなく日本語で仕事するときにも役に立つ、非常にコスパの高いスキルです。

 

まとめ

まとめます。

  • 英語だけで抽象的な概念を伝えようとするのはコスパが悪い
  • 英語だけで伝えづらいと思ったら図解したり画像・動画を見せたりした方が早くて正確
  • 図解はアートではなく技術なので、学べば誰でも上達する

 

もちろん、英語だけで全てを伝えられるなら、それに越したことはないですけどね(笑)。

口頭で複雑な内容を伝える力を上げたければ、意外かも知れませんがライティングの練習をするといいですよ。

詳しくは下記の記事を参照してください。

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