こんにちは。ゆう(@honkiku1)です。
2013年に駐在員としてサンフランシスコに赴任したものの赴任先の支社が倒産。半年間に渡る就職活動の末、現在はAmazonのシアトル本社でプロダクトマネージャーをしています。
そんな経験を活かし、このブログではアメリカで就職するためのポイント、アメリカでの仕事や暮らし、英語の学習方法などについて日々紹介しています。
前回、普通の日本人サラリーマンがアメリカのビザを取るのがいかに無理ゲーかということについてお話しました。
アメリカの企業に日本から直接就職しようと思ったらH-1Bというビザを取る必要があります。
これは、抽選な上に、取れても働き始めるまでに最短で半年かかるから、ほとんどの企業はそんな人材を採用してくれない、という話でした。
こんにちは。ゆう(@honkiku1)です。 2013年に駐在員としてサンフランシスコに赴任したものの赴任先の支社が倒産。半年間に渡る就職活動の末、現在はAmazonのシアトル本社でプロダクトマネージャーをしています。 そんな経[…]
今回は、それでもやっぱりアメリカで働きたかったらどうしたらいいの、というお話をします。
ソリューションは実は単純で、「一旦日本で就職してアメリカに赴任する」です。
アメリカ企業に直接就職する以外の選択肢
日本の普通のサラリーマンがアメリカで働きたいと思ったとき、H-1Bを取って現地企業に直接就職する以外の現実的な選択肢は以下の3つです。
- 学生ビザでアメリカの学校に行き、在学中はCurricular Practical Training(CPT)を、卒業後はOptional Practical Training(OPT)の制度を利用してアメリカ企業に就労する
- 研修・インターンシップビザでアメリカ企業に就労する
- 日本から赴任者としてアメリカ企業に就労する
学生ビザは就学中の収入ダウンと就労可能期間の短さがネック
1つ目の選択肢は、アメリカで学校に通い、在学中にアルバイトができるCPTという制度と、卒業後にフルタイムで就労できるOPTという制度を使ってアメリカ企業で働くという方法です。
この方法ならば、確かにアメリカ企業で働くことはできます。
しかし、まず学生として学校に通わなければならないため、その期間の収入が大幅に下がってしまいますし、決して安くない学費も工面しなくてはなりません。
更に、OPTで就労可能な期間は1年まで(STEM専攻は3年まで)と定められています。
それ以上アメリカに留まりたいと思ったら、H-1Bビザを取得するという方法がありますが、これもまた抽選で外れてしまった場合には帰国を余儀なくされます。
もう一度大学院など上位の学校に入り直せば、卒業後また1年間のOPTが得られますが、ここでもまた収入ダウンと学費の問題が浮上してきます。。。
というわけで、この方法は失うものの割にリスクが高く、あまり万人にオススメはできません。
そもそも英語力にもあまり自信が無いという場合には、現地の学校で英語を身に着けてから就労できるというメリットはあるかも知れませんが。。。
研修生ビザは極貧生活に耐える覚悟が必要
2つ目の研修生ビザとは、インターンシップや文化交流を目的としたビザのことです。
研修終了後は日本に戻ることを前提としたビザなので、取得は比較的容易です。
また、H-1Bのように4月にしか応募できないということはなく、1年中いつでも応募可能です。
ただし、研修生ビザによる就労は、1年間(もしくは1年半)までと期間が短いです。
また、他のビザへの切り替えも難しいと言われています。
さらに、これが一番痛いところかもしれませんが、研修生ビザで就労する際には、待遇がかなり悪くなることを覚悟しなければいけません。
具体的には、研修生ビザで受け入れてもらえるポジションの給与は1ヶ月1,800〜2,100ドル程度と言われています。
なんだ、それほど悪くないじゃないかと思われるかも知れませんが、それは日本を基準に見ているからです。
この給与は、アメリカの基準ではほぼ最低レベル、あるいはそれ以下です。
アメリカの物価はざっくり日本の倍ぐらい。
サンフランシスコなどの高コストな街に住めば、家賃だけで給料が吹っ飛んでしまいます。
1ヶ月に1,000〜2,000ドル程度の持ち出しは覚悟しなければならないでしょう。
ちなみに、僕がサンフランシスコに住んでいたとき、月々の家賃は1LDKで約4,000ドルでした。。。
この経験が将来のキャリアのために必ずプラスになると信じるに値するだけの理由が無ければ、こちらもあまりオススメはできません。

結局、現実的な選択肢は駐在員だけ
3つ目の選択肢は、一旦日本で就職し、その後ビザの準備が整い次第、駐在員としてアメリカに渡る方法です。
赴任にあたっては、ほとんどの場合、以下の3つのビザのいずれかが使われます。
ビザの種類 | 特徴 |
---|---|
H−1B (就労ビザ) | 4年制大学卒業もしくはそれに相当する実務経験が求められる。年に一度、4月にしか応募できず、抽選がある。有効期間は通常3年で、最長6年まで延長可能。 |
E-2(投資家ビザ) | 管理職以上か、会社の運営に不可欠な専門的知識・特殊技能を持っていることが取得の条件。スポンサー企業は所有権の50%以上を日本人・日本企業が有している必要がある。有効期間は1~5年。更新・延長の場合の有効期間は最長5年。何度でも更新可能。 |
L-1(駐在員ビザ) | アメリカ国内の親会社・子会社・関連会社等に駐在する経営者や管理職のためのビザ。過去3年間で1年以上日本支社での就労経験が必要。有効期間は最長7年。管理職の場合、グリーンカードへの切り替えが容易。 |
どのビザが使われるかは、おそらく就職先の人事部等が状況に応じて決めると思うので、みなさんはあまり気にする必要は無いと思います。
この方法であれば、収入や生活レベルを下げること無く、長期に渡ってアメリカで就労することが可能です。
Eビザであれば事実上無期限で滞在できますし、HビザやLビザの場合には、会社にサポートしてもらってグリーンカードの取得もできるはずです。
このように見ると、結局日本の普通のサラリーマンにとって、アメリカで働く現実的な選択肢は、一度日本で就職し、赴任者としてアメリカに渡るという一択のみになります。
赴任のパターン
赴任のパターンとしては、大きく以下の2つに分かれます。
- はじめからアメリカのポジションにつくことを前提に採用されるパターン
- 採用後、アメリカへの異動を希望する(or命じられる)パターン
はじめからアメリカのポジションにつくことを前提に採用されるパターン
これは、入社時に既にアメリカ国内のポジションにつくことを前提に採用されるパターンです。
多くの場合、入社時から現地チームの仕事をリモート及び出張ベースで行い、ビザの準備が整い次第現地に渡ります。
リモートや出張ベースでの仕事は、体力的・精神的につらいこともありますが、アメリカで就労できることがほぼ確定されているのは大きなメリットです。
採用後、アメリカへの異動を希望する(or命じられる)パターン
入社時には普通に日本国内のポジションで採用され、その後アメリカのポジションに異動するパターンです。
異動の条件等は企業ごとに異なるので、入社前に必ず確認しておきましょう。
1つ指摘しておきたいのは、「アメリカで働きたいからと言って、アメリカ資本の企業に入社することが必ずしも正解ではない」ということです。
アメリカで働くためには、アメリカに子会社を持つ日本企業に入社した方が実は近道だったりします。
これはなぜかというと、アメリカ企業が日本に子会社を作るのは、基本的には日本の顧客に対応するためだからです。
せっかく日本の顧客のために作った日本法人の従業員をわざわざアメリカに異動させることは、研修や交流プログラム等を除くとあまり多くありません。
また、例えそういった枠があったとしても、外資には帰国子女や留学経験者等が溢れているので、かなりの競争率であることが予想されます。
一方、アメリカに子会社を持つ日本企業の場合、本社との橋渡し役として日本から従業員が送られることは比較的頻繁にあります。
また、海外支社に送られるときには日本よりも少し上のポジションに着くことが多く、
- マネジメント経験が積める
- 経営に近いポジションで仕事ができる
- 多少英語がポンコツでもちゃんと聞こうとしてもらえる
と言ったメリットがあります。
アメリカに支社を持つ日本企業は意外にたくさんあるので、一度調べてみると良いかと思います。
企業のWebサイトでも海外支社の情報が載っていることはありますが、手っ取り早く調べるなら『就職四季報』がオススメです。
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転職エージェントの上手な活用の仕方については、こちらの記事を読んでみてください。
こんにちは。ゆう(@honkiku1)です。 2013年に駐在員としてサンフランシスコに赴任したものの赴任先の支社が倒産。半年間に渡る就職活動の末、現在はAmazonのシアトル本社でプロダクトマネージャーをしています。 そんな経[…]
まとめ
以上まとめると、以下のようになります。
- コストや就労可能期間を考えると、日本の普通のサラリーマンにとってはアメリカで働く現実的な選択肢は「一旦日本で就職してアメリカに赴任する」の一択
- アメリカ赴任には、はじめからアメリカのポジションに着くことが約束されているパターンと、入社後に異動を狙うパターンがある
- 外資系企業よりもアメリカに子会社を持つ日本企業に入った方が、実はアメリカ勤務が実現しやすかったりする
日本人がアメリカで働くのって、けっして夢物語ではありません。
きちんと戦略をもって望めば必ず叶います。