こんにちは。ゆう(@honkiku1)です。
2013年に駐在員としてサンフランシスコに赴任し、Amazonシアトル本社への転職を経て、現在はスタートアップでプロダクトマネージャーとして働いています。
そんな経験を活かし、このブログではアメリカで就職するためのポイント、アメリカでの仕事や暮らし、英語の学習方法などについて日々紹介しています。
最近日本でも人気のあるプロダクトマネージャーの年収も知りたいなあ
現在、「世界で一番魅力的な職業」と言われるプロダクトマネージャー(参考文献)。
プロダクトマネージャーが本当に「世界で一番魅力的な職業」かどうかについては色々な考え方があると思いますが笑、テック業界ではエンジニアと並んで最も人気がある職種の1つです。
では、プロダクトマネージャーってどのくらい稼げるのでしょうか?
そこで今回も、前回に引き続きlevels.fyiというアメリカの年収比較サービスに登録されている情報をもとに、Google、Amazon、Facebook、Microsoftの4社のプロダクトマネージャーの年収を、ジョブレベル別に徹底比較してみました!
(本当は前回同様GAFA4社の比較をしたかったのですが、Appleのデータが見つからなかったので代わりにMicrosoftに登場いただきました)
年収比較サービスはlevels.fyi以外にも複数ありますが、僕が見た中ではこのサービスが最も現実に近いです!
他のGAFAの方にお話聞いても、だいたい合っているとのことでした!
なお、GAFA米国本社のエンジニアの年収については下記記事をどうぞ。
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また、年収の前に「プロダクトマネージャーってどんな職種なの?」という方は下記記事をどうぞ。
こんにちは。ゆう(@honkiku1)です。 2013年に駐在員としてサンフランシスコに赴任したものの赴任先の支社が倒産。半年間に渡る就職活動の末、現在はAmazonのシアトル本社でプロダクトマネージャーをしています。 そんな経[…]
年収比較の前に、ジョブレベルって何?
アメリカの会社では、従業員の職務の等級を、その熟練度に応じて「ジョブレベル」というものさしで表します(呼び方は会社によって違います)。
例えばAmazonでは新卒社員はL(レベル)4から始まり、2〜3年の経験を積むとL5に、更に数年の経験を積むとL6になります。
ただし、今回ご紹介するプロダクトマネージャーという職種はある程度の経験が求められるため、AmazonではL4のプロダクトマネージャーはおらず、L5からのスタートになります。
年収については、職種およびジョブレベルごとにレンジが決められており、ジョブレベルが上がると年収も一気に上がる仕組みになっています。
日本の会社の主任、課長、部長といった「職位」とは異なり、ジョブレベルとポジションは(ある程度の相関はありますが)独立しています。
レベル5のマネージャーがいる一方で、レベル6で部下を持たない社員もたくさん存在する、といった具合です。
日本の会社でも、ジョブレベル制度に似た制度を採用している会社はけっこう多いのではないでしょうか。
ジョブレベルは会社間では必ずしも1対1で比較はできません。
下の図はGoogle・Amazon・Facebook・Microsoft 4社のジョブレベルを横並びに比較したものですが、例えばAmazonのL6はGoogleやFacebookのL4〜L5にまたがっています。
このような状況なので、この記事でジョブレベルごとの年収を比較する際には、Amazonのジョブレベルを基準にしました。
1対1に比較できないレベルについては、オーバーラップしているレベルの年収の加重平均値を取ってそのレベルの年収にしています。
それではさっそく比較していきます!
Amazon L5:入社数年レベル
上でも述べましたが、AmazonではProduct Managerはある程度の経験が求められる職種と捉えられているため、他の職種のようにL4は無く、L5からのスタートとなります。
L5だと社会人歴数年で、ある程度まとまった範囲の仕事を自分一人で進められるレベルです。
では、L5の年収ですが…
2,030万円 | |
Amazon | 1,907万円 |
2,079万円 | |
Microsoft | 1,968万円 |
(ボーナス等含めたトータル。$1=114円で換算。以下同様)
いかがでしょうか?
確かに、日本の会社で入社数年で2,000万円もらえる会社なんてまずないですよね。
この年収の高さは、アメリカ就職、GAFA就職の最大の魅力の1つだと思います。
ただし、同じL5のエンジニアの年収と比べると…
L5の年収 | プロダクトマネージャー | エンジニア |
2,030万円 | 3,088万円 | |
Amazon | 1,907万円 | 2,622万円 |
2,079万円 | 3,088万円 | |
Microsoft | 1,968万円 | 2,264万円 |
正直、エンジニアの年収高すぎですよね…😅
まあ、需要に対してエンジニアの供給が全く足りていないので、仕方ないところではあります。
プロダクトマネージャーがどれだけ革新的なプロダクトを構想しても、それを実現してくれるエンジニアがいなければ絵に描いた餅ですからね。
Amazon L6:シニアレベル
L6はだいぶ経験を積んだシニアレベルで、小さめのプロダクトのプロダクトチームのリーダーを任せられるようなイメージです。
では、早速年収見ていきましょう。
ここからはエンジニアとの比較も一度に見せちゃいますね。
L6の年収 | プロダクトマネージャー | エンジニア |
3,280万円 | 4,436万円 | |
Amazon | 2,845万円 | 3,784万円 |
3,050万円 | 5,270万円 | |
Microsoft | 2,499万円 | 3,178万円 |
L5からグッと伸びました。
同時に、エンジニアとの差も広がっていますね(泣)。
実はL6のエンジニアって本当に希少で採用がめちゃくちゃ難しく、L6のエンジニアを採用しようとしたものの見合う人材がおらず、仕方なくレベルを1つ下げてL5で採用した、みたいなことがたびたびあります。
僕がAmazonで所属していたチームでも、エンジニアはL5だらけでした。
Amazon L7:ベテランレベル
AmazonのL7はだいぶベテランと呼べるレベルです。
1つのプロダクトではなく複数のプロダクトを横断して見るような働き方が求められるようになります。
ちなみにAmazonではL6まではある程度誰でも上がれますが、L6からL7に上がるハードルはかなり高くなっていて、L6でキャリアを終える人も相当数います。
では年収見ていきます。
L7の年収 | プロダクトマネージャー | エンジニア |
5,524万円 | 6,605万円 | |
Amazon | 4,505万円 | 6,743万円 |
4,813万円 | 9,108万円 | |
Microsoft | 4,331万円 | 5,092万円 |
まあ、同じ傾向が続いていますね。
Facebookのエンジニアの年収は、ちょっとバグってるんじゃないかと思ってしまうレベルです(汗)。
ところで、プロダクトマネージャー、エンジニアともに、Microsoftの年収が他社より全体的に低めなことに気づいた人もいるかもしれません。
AmazonとMicrosoftは同じシアトルエリアにあることもあり、両者間で人材の行き来が非常に活発に行われています。
で、両社で働いた経験がある人何名かに聞いた話なのですが、Amazonの仕事は比較的キツめな一方で、MicrosoftはAmazonに比べると比較的ゆったりしており、それが給与にも反映されているのではないか、とのことでした。
所属やマネージャーにもよると思うので一概には言えないだろうと思うのですが、「Amazonで疲れたらMicrosoftに癒やしを求めに行き、十分に英気を養ったらまた刺激を求めてAmazonに行くんだ」と言っていたツワモノもいました笑。
Amazon L8:ディレクター・事業責任者レベル
AmazonのL8は、数十人〜数百人の組織をリードするような役割が求められます。
まずは年収見ちゃいましょう。ババン!
L8の年収 | プロダクトマネージャー | エンジニア |
8,241万円 | N/A | |
Amazon | 7,101万円 | N/A |
9,162万円 | N/A | |
Microsoft | 7,745万円 | N/A |
エンジニアの年収が「N/A」になってますね。
実はエンジニア職でL8まで行く人って極めてまれで、僕自身はお目にかかったことがありません。
levels.fyiにもL8以上のエンジニアのデータは数件の登録があるだけで、信頼に足る情報は得られなかったため、「N/A」とさせていただきました。
プロダクトマネージャーの年収は、同じレベルで比べるとどうしてもエンジニアに見劣りしてしまいます。
しかし、L8以上のレベルは事業をリードしていくようなポジションになるため、その職種の特性上、エンジニアよりプロダクトマネージャーが就きやすくなります。
もし上位のレベルに付けるのであれば、プロダクトマネージャーであってもエンジニアを上回るような年収を得ることは十分に可能であると言えそうです。
(とは言え、L8に上がるのってめちゃくちゃ難しそうですけどね汗)
まとめ:非エンジニアはぜひPM職でアメリカ就職に挑戦して欲しい
GAFA米国本社のプロダクトマネージャーの年収を、エンジニアと比較しつつ見てきました。
L5~L8の年収を再度下表にまとめておきます。
Lv | 職種 | Amazon | Microsoft | ||
L5 | PM | 2,030万円 | 1,907万円 | 2,079万円 | 1,968万円 |
ENG | 3,088万円 | 2,622万円 | 3,088万円 | 2,264万円 | |
L6 | PM | 3,280万円 | 2,845万円 | 3,050万円 | 2,499万円 |
ENG | 4,436万円 | 3,784万円 | 5,270万円 | 3,178万円 | |
L7 | PM | 5,524万円 | 4,505万円 | 4,813万円 | 4,331万円 |
ENG | 6,605万円 | 6,743万円 | 9,108万円 | 5,092万円 | |
L8 |
PM | 8,241万円 | 7,101万円 | 9,162万円 | 7,745万円 |
ENG | N/A | N/A | N/A | N/A |
こうして眺めると、やはり同じレベルで比べるとエンジニアの方がプロダクトマネージャーより年収は高いものの、エンジニアの1つ下のジョブレベルと比べると(例えばプロダクトマネージャーのL6とエンジニアのL5を比較すると)、プロダクトマネージャーの年収はエンジニアとほぼ同じ、あるいはプロダクトマネージャーの方が高くなっていると言えます。
プロダクトマネージャーの方が、その職務特性上、上のレベルに上がるチャンスが多いということを考えると、プロダクトマネージャーとエンジニアの年収にそこまで大きな差は無いのではないかと感じました。
で、ここから本題なのですが、「自分はエンジニアじゃないからアメリカ就職は難しいな」と考えている人は、ぜひプロダクトマネージャーでのアメリカ就職を考えてみていただきたいです。
確かにエンジニアのように客観的に分かりやすくスキルをアピールできない分、若干難易度は上がるかもしれませんが、これまでの経験を適切にアピールできればチャンスはあると思います。
現在「プロダクトマネージャー」という職種ではなくても、IT企業の企画職やWebディレクター、上流よりのシステムエンジニアやITコンサルタントをされている方などは、プロダクトマネージャーに非常に近い経験を既にされていると思います。
その経験をしっかりとアピールできれば、必ずチャンスはあります!
なお、アピールの仕方については、下記の記事を参考にしてみてください。
こんにちは。ゆう(@honkiku1)です。 2013年に駐在員としてサンフランシスコに赴任したものの赴任先の支社が倒産。半年間に渡る就職活動の末、現在はAmazonのシアトル本社でプロダクトマネージャーをしています。 そんな経[…]