普通の英単語帳を使って運用語彙のベースを築く3つのコツ

こんにちは。ゆう(@honkiku1)です。

2013年に駐在員としてサンフランシスコに赴任したものの赴任先の支社が倒産。半年間に渡る就職活動の末、現在はAmazonのシアトル本社でプロダクトマネージャーをしています。

そんな経験を活かし、このブログではアメリカで就職するためのポイント、アメリカでの仕事や暮らし、英語の学習方法などについて日々紹介しています。

 

英語の文章を読むときにはあまり語彙力不足を感じないのに、いざ自分が話したり書いたりするときには全然単語が出てこないなんて経験、誰にでもあると思います(僕はあります!)。

この、自分がアウトプットするときに使える語彙のことを「運用語彙」と言います。

この記事では、受験用の英単語帳を使って運用語彙のベースを築く方法を説明します。

 

使える語彙(運用語彙)を増やす3つのコツ

受験英語の弱点はアウトプット力の弱さです。

みなさんも、文章の中で使われていれば意味は分かるけど、自分が書いたり話したりするときには絶対に出てこないという単語、たくさんあるのではないでしょうか?

これは読解力に重きをおかれる受験英語の性質上、まあ仕方のないことです。

我々英語学習者は、読んで分かる語彙(認識語彙)と使える語彙(運用語彙)は異なるということを認識して、きちんと対策を取っていけばいいだけですね。

 

単語の覚え方は、僕も世間で言われている色々な方法を試してみました。

語源で覚えるとか、単語単体ではなく文章で覚えるとか。

どれも一定の効果はありましたが、どの方法も、どうしてもインプットのための、更に言えば英文読解のための方法のようで、あまりアウトプットのための語彙力アップにはつながりませんでした

イヌくん
語源を覚えれば一個一個の単語を覚えなくていいんでしょ?僕、それがいいなあ

語源で覚えるやり方は、リーディングにはまあ使えますね。

単語の形から意味を類推できるので、英文を読んでいて知らない単語が出てきたときにはけっこう使えます。

ただ、会話の中ではそんなことしている余裕無いし、ましてやアウトプットには使えないですよね。

 

やっぱり地道に単語帳で覚えるのが近道という結論に達しました(当たり前過ぎてすみません)。

ただし、以下の3つのポイントを押さえると効果倍増です:

  • 何度も忘れて何度も覚える
  • 単語の意味はまずは1つに絞って覚える
  • 英→日ではなく、日→英で覚える

 

コツ1:何度も忘れて何度も覚える

英語学習者のみなさんならご存知の方もたくさんいらっしゃるかもしれませんが、エビングハウスの忘却曲線によると、人の記憶には以下のような特徴があります:

  • 人は学んだ直後からどんどん忘れていく
  • しかし、復習をすることで、忘れた記憶を取り戻すことができる
  • そして、繰り返し復習することで記憶が定着する

ここから言えるのは、単語を書き取ったりして1つ1つの単語に時間を割いて記憶しても、どうせすぐに忘れてしまう。

それならば、それぞれの単語の記憶にかける1回あたりの時間は極力減らして、それを何度も何度も繰り返すことで記憶に定着させた方が効率的です。

 

具体的には、単語帳を1冊用意し、先頭から順番に1単語ずつ、超高速で読んでいきます。

ちなみに、このとき必ず音読しましょうね。

音読することで記憶の定着が高まるのに加え、スピーキングの際の瞬発力が上がります。

これを、例えば1つの単語につき4秒で行うとすれば、1つの単語帳を2時間ほどで1周できますよね。

これを何十周も行います。

覚えた単語、忘れたっていいんです。

「忘れる→覚える」のサイクルを何度も繰り返すうちに、記憶がどんどん定着してきます。

2日で1周終わらせるとして、1周/2日×3ヶ月=45周

1つの単語帳を45周もすれば、さすがにほとんどの単語は覚えてしまっていると思いませんか?

 

コツ2:単語の意味はまずは1つに絞って覚える

1つの単語には複数の意味がありますよね。

しかし、上でお話した「何度も忘れて何度も覚える」勉強法では、1つの単語にかける時間を可能な限り短くして、その分回数をこなしたいのです。

なので、単語の意味は最も基本となる1つに絞って覚えます

 

基本の意味さえ覚えてしまえば、その他の意味は実際に英文に触れる中で「ああ、この単語はこういう文脈でも使われるのか」と、自然に類推・記憶できていきます。

例えば”joint”という単語は、「結合」という基本の意味さえ覚えてしまえば、生き物に対して使われていれば「関節」という意味になるし、ビジネスの文脈であれば「共同」という意味になるのは容易に推測できますよね。

 

また、語彙力を実際の会話に使う際には瞬発力が重要になります。

その観点からも、1つの英単語と1つの日本語を結びつけて、相互の変換を一瞬で行えるようにした方がが良いわけです。

 

コツ3:英→日ではなく、日→英で覚える

読解に重きをおかれる受験英語の性質上から、受験生はどうしても英単語を見て日本語訳を覚える英→日の暗記に注力してしまいがちですよね。

しかし、上でも述べたとおり、これは読んで分かる語彙力(認識語彙力)は上がっても、自分で使える語彙力(運用語彙力)には必ずしもつながらないのです。

 

そこで、単語を覚える際には、日本語訳の方から見るようにしましょう。

英→日ではなく、日→英で覚えるのです。

 

とは言え、「何度も忘れて何度も覚える」勉強法では、それぞれの単語にかける時間は極力短くしたいので、英単語を隠して日本語訳から英単語を言えるようにする、みたいなことはしなくてOKです。

単に英単語を見る前に日本語訳から見るクセをつけるだけで、脳が勝手に「ん?この日本語に対応する英単語は何だったかな?」と勝手に日→英の回路を強化していってくれます

 

おすすめの教材

上で紹介した、「何度も忘れて何度も覚える」勉強法に最適な英単語・熟語集を選びました。

1分間英単語1600

1分間英単語1600
3.6

1単語1秒で1分間に60回復習できる驚異の英単語勉強法。「できるだけ簡単に、はやく勉強を済ませたい!」というニーズに応える英単語帳。

『1分間英単語1600』は、「何度も忘れて何度も覚える」勉強法と全く同じアイディアに基づいて作られています。

 

おすすめポイント

  • 「何度も忘れて何度も覚える」勉強法に最適化された構成。ページの右端に各章の所要時間の目安が書かれていて、その通りに進めれば1周27分で終えられる。
  • 「つづりが似ているが意味が全く違う単語」や「逆の意味の形容詞」など、項目別に分かれて掲載されていて覚えやすい。

 

使い方のポイント

  • 詳細な使い方が書かれているので、基本的にはそれに従いましょう。
  • 必ず音読することと、日→英の順で見ることを忘れずに!
  • 若干ボリューム不足なので、この本を終わらせてもし余裕があれば下で紹介しているターゲット1900にも同じ方法で取り組みましょう。

 

こちらの本はKindle Unlimitedに入っていれば無料で読むことができます。

ちなみにKindle Unlimitedにはこれ以外にもオススメの英語関連の本がたくさん揃っているので、英語学習者は入っておくといいですよ。

 

英単語ターゲット1900

英単語ターゲット1900
4.6

大学入試英単語集の決定版、8年ぶりの改訂&ついに6訂版!

独自の大学入試データベースを再整備! 最新「でる順」を分析!
見出し語・意味・補足情報・例文のすべてを見直しました。
1900の見出し語を100語ごとに区切り、100語単位でリズムよく学習できます。
見出し語・見出し語の意味・例文の音声を聞ける、無料ダウンロードサービス付き。

例文はオリジナルで、コロケーションや単語の意味をイメージしやすい語の組合せを含みます。これらのフレーズに下線を引きました。

共通テストから国公立2次試験・難関私大レベルをカバー。

『英単語ターゲット1900』は、言わずと知れた超定番ですね。

 

おすすめポイント

  • 単語の最もベーシックな意味が強調して表示されているので、「何度も忘れて何度も覚える」勉強法を実践しやすい。
  • 易しめの単語から難し目の単語までバランスよく配置されているので、これをマスターしたら基礎は万全。
  • 補助アプリの「ターゲットの友1900」がなかなか優秀。アプリで音声を聞いたり腕試しテストができる。

 

使い方のポイント

  • 例文等は一旦無視して、一語一訳の学習に集中しましょう。
  • レベルの高い単語も多く含まれているので、まずは1分間英単語1600から入った方が良いです。

 

英熟語ターゲット1000

英熟語ターゲット1000
4.2

大学入試英熟語集の決定版!
旺文社独自の大学入試データベースから最新の「出る順」を中心に分析して、押さえておくべき1000語を厳選収録。熟語を「意味」や「形」などにグルーピングしてセクションに分け、リズムよく学習できるようになっています。

*本書は、センター試験から国公立2次試験・難関私大レベルをカバーします。

『英熟語ターゲット1000』も、英熟語の定番ですね。

実はネイティブは、実際の会話の中では難しい単語よりも熟語の方を頻繁に使ってきます

簡単な単語しか使ってないはずなのに意味が分からないと思ったら、それは熟語の語彙が足りていないということです。

逆に言えば、熟語を覚えれば、よりネイティブの会話に近い、生き生きとした英語が使えるようになるということです。

よく使われる英熟語の数はそれほど多くないので、英熟語の勉強は実は非常にコスパが高いんです。

 

おすすめポイント

  • 実際の英文で頻繁に使われる英熟語の多くをカバー。
  • 「混同しがちな熟語44」などグループごとに分かれていて覚えやすい。
  • 補助アプリの「ターゲットの友1000」が、こちらも優秀。

 

使い方のポイント

  • こちらも単語同様に、とにかく数をこなしましょう。
  • 使われている単語自体は簡単な分、かえって覚えるのが難しかったりします。しっかり発音して、舌で覚えてしまいましょう。

 

まとめ

まとめます。

  • アウトプットの力を高めるためには、日本語から英語に瞬間的に変換できるようになる必要がある。
  • 1回の暗記には時間をかけず、覚えては忘れる、忘れては覚えるを高速で繰り返すことで記憶を定着させる。
  • そのためには、単語の意味は1つに絞って覚える。
  • 英→日の順番で記憶していては、アウトプットのための語彙力は増えない。日→英の順番で覚えるのが大事。
  • ネイティブは会話の中では難しい単語よりも、簡単な単語が組み合わさった熟語と好んで使う。熟語の学習は非常にコスパが高い。

 

単語帳で基礎的な単語を押さえたら、あとはアウトプットの練習をしながら語彙を増やした方が効率いいです。

ライティングの勉強の仕方については下記の記事を参照してください。

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また、ツイッターをアウトプットの場として活用するのもオススメ。

詳しいやり方は下記の記事を参照してください。

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海外や外資系企業で英語を使って働いている人、これから働きたいと思っている人には是非読んで頂きたいです。